相続税を納めなければいけないけれど、相続財産のほとんどが不動産で、相続した金融資産だけでは税金を納めることができない、というケースはよくあります。
このような場合に相続人が相続した不動産以外の所有不動産を売却して相続税を納税したとしても、税務上の特例措置はありません。不動産の売却にかかる税金は通常通り計算して支払うことになります。
ただし、相続した不動産を売却する場合には、相続税の取得費加算の特例という制度があります。
この制度を使うと、不動産の売却益の計算をするときに、その人が支払った相続税額のうち不動産にかかる金額を取得費に加算できます。支払った相続税分だけ譲渡益をマイナスできるのです。
この特例は、相続税の申告期限(亡くなった日から10ヶ月)後3年以内に不動産を売却した場合に適用できます。相続税を納めるために売却した場合でなくても適用可能です。